HEA BLO AGR Hokkaido Japan (Agri port Kato)

PIX4Dfieldsで除草剤の量を減らし、コストを大幅削減

PIX4Dfieldsによって、雑草の育成箇所を特定し、ピンポイントで除草剤を散布し、除草剤の使用量を最小限に抑えることで大幅なコスト削減を実現した事例をご紹介

少子高齢化が進む日本は、農業の担い手不足の問題にも直面しています。「食料安全保障」の観点からも、食料自給率を上げることが求められますが、農家戸数は減少傾向にあります。*1全国(434万9千ha)の耕地面積の4分の1(26%、114万3千ha)を占める北海道でも65歳以上の農業従事者の割合が増加傾向、農業経営体数が減少傾向にあります。*2 農業の担い手不足と農家の高齢化に関する問題に対して、ICT(情報通信技術)やロボット技術の導入によって解決を図る動きが、全国的に推進されつつあり、北海道農政部もスマート農業を推進する取り組みを行っています。

そんな中、Pix4Dは、北海道旭川近郊でドローンによる農薬散布代行業を行うアグリポートカトーを取材。ドローンにより圃場の健康状態を分析しピンポイント散布を行うことができるPix4Dのソフトウェア「PIX4Dfields(ピックスフォーディー・フィールズ)」を使い、どのように時間・手間・コストを削減し効率的に農薬の散布を行っているのかを取材しました。

雑草が米の収穫量に影響

水稲栽培において、初期段階での雑草防除は極めて重要です。雑草は水稲と養分や光を奪い合うため、適切な除草を行わないと収量に大きな影響を与えます。大型の雑草が稲を覆ってしまうことにより稲の生育が抑制されることや、雑草の発生密度が増えることで、本来稲が吸収するはずだった窒素分を雑草に吸収されることにより収量が少なくなるなどのリスクがあります。雑草の影響により米の収量が15-76%程減収するという調査結果もあり、米の収穫量を確保する上で、効果的な除草防除の処理が重要であることは明らかです。*34 PIX4Dfields のソフトウェアを使用することにより、圃場の雑草育成箇所を的確に把握し、該当箇所にのみ除草剤を散布することが可能です。それにより、雑草を効果的に処理できるだけではなく稲にとってもやさしい、持続可能な除草防除・稲の育成環境管理を行うことができます。 

Effective weed control at the tillering stage is crucial for final yield
耕種期にしっかりと雑草防除の管理を行うことが、最終収量に影響があるため極めて重要である。

スポット散布で除草剤使用量を削減

北海道の旭川を拠点に、農業ドローン等による農薬散布代行業を行う「アグリポートカトー」では、圃場主に代わり圃場への肥料や除草剤散布等の業務を行っています。その業務を行う上で、PIX4Dfieldsのソフトウェアを使用しています。本取材時は、ドローンによる除草剤散布にDJI Mavic 3 Multispectral(ドローン)、DJI T-30 Agras(スプレードローン)、PIX4Dfieldsのソフトを使用し、除草剤の使用量を減らすことに成功しました。

IMG BLO AGR Hokkaido 2
DJI Mavic 3 Multispectralで圃場全体を画像撮影

IMG BLO AGR Hokkaido 3
ドローンで撮影した画像をPIX4Dfieldsにて、インターネットを使用せずに数分間で処理

IMG BLO AGR Hokkaido 4
PIX4Dfieldsのマジックツールによる水田の雑草の自動検出

PIX4Dfieldsを使用した本作業の流れ

  1. Mavic 3 マルチスペクトルのドローンを使用し、圃場を撮影(画像でデータ取得)
  2. PIX4Dfieldsを使用してデータを処理
  3. PIX4Dfieldのマジックツールマジックツールを使用して、雑草が生えている正確な位置を把握
  4. マジックツールによる雑草検出の情報をもとに、PIX4Dfieldsでスポット散布の飛行ミッションを作成する
  5. Agras T-30 のスプレードローンに、データをエクスポートし(SDカードを投入)、PIX4Dfields のワークフローを使用して、狙った位置へのピンポイントで除草剤を散布するミッションを実行する
IMG BLO AGR Hokkaido 5
PIX4Dfieldsからピンポイント散布のミッションをインポートしたAgras T-30のスプレードローン

除草剤の使用量が2日間で3分の2に削減

PIX4Dfieldsを使用し、ピンポイント散布を行うことにより、本圃場において、除草剤を圃場全体に散布した場合と比較し、除草剤のコストを約3分の2節約することに成功しました。この度の除草防除には、「ゲパード」という除草剤を使用。通常1ヘクタールあたり10キロ使用し、40,000円/ha 費やしていたところ、今回のピンポイント散布では、1ヘクタールあたり3キロ(12,000 円)使用し、1ヘクタールあたり28,000円の節約になりました。10ヘクタールの場合は、280,000円と大幅な費用削減に繋がります。

IMG BLO AGR Hokkaido 6

IMG BLO AGR Hokkaido 7
PIX4Dfieldsで除草剤散布の処方マップを作成

アグリポートカトーの代表、加藤一樹さんはPIX4Dfieldsを選んだ理由として、ピンポイント散布の処方マップを素早く作成できる高速処理能力と、ソフトウェアを使って雑草を簡単に特定することができる点をあげています。PIX4fieldsを使用することで、植生分析による精密散布(ピンポイント/スポット散布)が可能であることを実感したと言います。また、高速処理かつインターネットを使用しない「オフライン処理」機能のおかげで、現場でのデータ収集と処理がスムーズで効率的に行うことができたとのことです。 PIX4Dfieldsを採用することで、アグリポートカトーは、除草剤の使用を減らし、農薬のコストの削減に加え、作物にも優しい圃場管理を実現しています。

「PIX4Dfieldのマジックツールを使って雑草の位置を特定することで、圃場全体に除草剤を散布する必要がないため、スポット散布で除草剤のコストを下げることが可能」 - アグリポートカトー

Discover drone mapping in agriculture
Try PIX4Dfields for yourself!

Related articles