スペインでPIX4Dfieldsを使った農家は、どうやって1シーズンで収穫量を増やしたのか?
スペインの農家は、年々天候が予測不可能で極端になる中、気候の変化という課題に直面しています。化学肥料の投入を抑えながら生産を最適化する技術は、長期的には農場のコスト削減につながるため、精密農業の必要性が高まっています。科学肥料の計画的な利用は、より環境にやさしい農業も可能にします。
FLYDRONAIRは、スペインのバレンシアで活動する農業専門のサービスプロバイダーです。ドローンを使ってリモートセンシングを行い、スポット散布などの空中処理も行っています。ブドウ園、果樹園、園芸作物、穀物など、さまざまな作物を分析するほか、農業研究プロジェクトも行っています。
FLYDRONAIRは、20年間精密農業の利用や分析をしてこなかった農場での仕事を依頼されました。ドローンを農場の上空に飛ばし、RGBと近赤外線のデータを使って、PIX4Dfieldsで画像処理をするという内容でした。FLYDRONAIRは、PIX4Dfieldsの出力を使って、農場の過剰な水分や栄養分の散布不良といった問題を分析し、収量を最適化するための空中処理の計画・実行を目指しました。
プロジェクト詳細
場所 | スペイン |
ユーザー | Flydronair |
ソフトウェア | PIX4Dfields |
撮影画像数 | 5736 |
ハードウェア | DJI Matrice 30 RTK Zenmuse P1 Micasense Altum |
撮影範囲 | 5 ヘクタール |
GSD | 3.46 cm (Altum) 0.75 cm (P1) |
精密農業の分析にドローンを活用
FLYDRONAIRチームは現地に到着し、ドローンとカメラを準備しました。 特殊なRTKドローンを使用するため、結果の正確さには自信がありました。正確なジオロケーションデータは、農業にとって重要です。PIX4Dfieldsはオフラインのソフトウェアプログラムなので、FLYDRONAIRはデータ収集当日に分析結果を提供できると考えていました。
地形が非常に凸凹していたため、FLYDRONAIRは多くの画像を収集する飛行計画を作成しました。これにより、写真間のオーバーラップが最大化され、最終的なオルソモザイクが歪んだり、植生指標の作成時の問題を防ぐことができました。天候の影響もあり、雨や風のない曇りの理想的な飛行条件の日を待って、データを収集しました。
アグロテックでドローン画像を解析する
FLYDRONAIRは、PIX4Dfields でデータを収集・処理して、分析を開始しました。 そして、農場の中央に帯水層があり、それが土壌に湛水していることを突き止めました。さらにFLYDRONAIRは、オレンジの木の植物ストレスを植生指標で特定し、反射率マップを作成しました。植物のストレスがはっきりと確認できたことで、FLYDRONAIRは早急に治療計画を立てることができました。最後に、FLYDRONAIRはすべての植物で窒素が不足していることを確認し、肥料を投与しました。この肥料の投与により、同シーズン中の収穫量が増加しました。
農業のための最新空撮技術
ドローンの農業への活用は非常に多岐にわたります。この農場では、個々の作物の問題だけでなく、帯水層が湛水を引き起こすというより広い 問題を解決することができました。また、畑の栄養不足を特定することで、FLYDRONAIRはトラクターにアップロードしてすぐに使用できる肥料処方マップを作成することができました。
PIX4Dfieldsが選ばれた理由は、直感的に操作でき、スピードと信頼性に優れていたからだ - FLYDRONAIRのCEO、Pedro Lucas氏は説明しています。
PIX4Dfieldsは高速でダイナミックな処理ソフトウェアなので、短時間で大量の画像を処理し、素晴らしい結果を得ることができました - Pedro Lucas, FLYDRONAIR
この農場では今後、より効果的な運用が可能になり、作物ごとに収量を最適化することができます。農場主は、すぐにFLYDRONAIRが提供した農業用ドローンサービスの投資対効果を得ることができました。帯水層に蓄えられていた水を徐々に取り出して、農場にある天然資源を最大限に活用し、消費を最適化することで、全体的な土壌の質も向上させることができました。PIX4Dfieldsは、将来、凸凹のある地形が農作業に支障をきたすようになった場合、畑を平らにするために利用することもできます。そして、FLYDRONAIRが直接介入したことで、オレンジの収穫もすでに改善されています。