農薬コスト85%削減 PIX4Dfieldsとドローンがもたらす農業の未来

ドローンを活用したリモートセンシングは、作物の健康状態を精度高く評価、圃場の境界を正確にマッピング、雑草検出によるスポット散布を可能にするなど、農作業の効率化に貢献します。農業は季節ごとの短い作業期間と、植え付け、施肥、作物管理、収穫などのピーク時の作業負荷が重なるため、計画変更やクライアントからの突然のリクエストが発生しやすいというサイクル的に厳しい側面があります。これが、ドローンサービス提供者にとって大きな課題となることがあります。そのため、迅速かつ効率的なデータ収集が重要ですが、Pix4Dfieldsは数分で高速なデータ処理を行うことで、こうした問題を解決し、農家やドローンサービス提供者の成功をサポートいたします。

効果的なスマート農業ソリューション

DJI Mavic 3 Multispectralの20～28分のマッピング時間、優れたセンサー（20MPのRGBカメラと5メガピクセルの4バンドマルチスペクトル）、そしてRTKの高精度を、PIX4Dfieldsの高速かつオフラインでの機能や強力なツールと組み合わせることで、農業において即座に 活用できるデータ 迅速に作成することが可能です。このデータには、圃場の境界、異常検査するための圃場マップ(scouting map)、さらには可変率散布やスポット散布の処方マップが含まれます。

ドローンの構成

• DJI Mavic 3 Multispectral（バッテリー4個）
• 256GB Micro SD x 2
• 2台のDJI 100W充電ドックを備えたパワーステーション（連続充電と飛行が可能）
• モバイルRTK補正信号: SAPOS
• 地上制御アプリ／フライトアプリ：DJI Smart Controllerで使用するDJI Pilot 2

処理機器

• XPS 15 9510
• CPU: i7-11800H @2.3Ghz
• RAM: 32GB
• GPU: RTX 3050ti

小麦畑において成長調整剤の可変散布が必要なエリアを迅速に特定

このケーススタディでは、ドイツにある約50.4町の冬小麦畑を対象にしました。目的は、2024年3月26日に行われた最初の窒素肥料散布後の冬小麦の全体的な健康状態と成長を評価することでした。

ドローンを飛行させ、小麦畑の画像データを収集

PIX4Dfieldsを使用して、現場のノートパソコンでドローン画像を数分でオフライン処理

マッピングと処理の詳細

PIX4Dfieldsで小麦畑の圃場境界を編集

PIX4DfieldsでNDVI（左）に基づいて可変率処方マップ（右）を作成

このドローンの飛行で得られた詳細なデータは、作物の成長におけるばらつきを特定しました。浸水しているエリアが確認され、測定されたほか、土壌の不均一性に基づいた成長の弱いエリアがマッピングされ、農家はそれを基に場所特定型の成長調整剤の散布を行いました。ドローンのセットアップとデータをPIX4Dfieldsに転送する作業はわずか8分で完了しました。現場でのデータ処理も迅速に行われ、RGBデータは4分30秒、マルチスペクトルデータは6分54秒で処理が完了しました。

トウモロコシ畑における除草剤のスポット散布

このケーススタディは、2024年4月5日の植え付け前に、ドイツにある40.3町のトウモロコシ畑で実施されました。

トウモロコシ畑上空のドローン飛行（左）と、PIX4Dfieldsで畑の雑草が表示されているオルソモザイク画像（右）

マッピングと処理の詳細

圃場境界の編集（左）と、PIX4Dfieldsでのスポット散布処方マップの作成（右）

ドローンのセットアップとデータのPIX4Dfieldsへの転送はわずか6分、現場でのデータ処理は14分で完了しました。データの取得と処理全体で、わずか1時間13分しかかかりませんでした。飛行の結果、高解像度の空中雑草マップが作成され、VARI/TGI RGBインデックスやMagic Toolを使用して除草剤のスポット散布用の処方マップに変換することができます。PIX4Dfieldsで作成したこの処方マップを使用して、場所特定型の除草剤散布を行った結果、投入量を85%も削減することができました。

数分の処理で除草剤を大幅節約

DJI Mavic 3 MultispectralドローンとPIX4Dfieldsを使用したこの精密農業ワークフローは、作物調査、可変率散布、 スポット散布などの実用的な用途において、大規模圃場のマッピングに対する精度と速度を提供します。50ヘクタールの大規模圃場でも、現場到着から1時間以内にマッピングと分析が可能です。これは、PIX4Dfieldsがインターネット接続を必要とせず、オフラインで高速な処理が可能なため実現できました。モバイルデータ接続が限られている、またはない農村部の農業地域でも、PIX4Dfieldsはオフラインでの迅速なデータ処理を提供し、時間やコストの削減に貢献いたします。この組み合わせにより、農業従事者の皆様により効率的な作業をサポートすることが可能です。 特に、モバイルデータ接続が限られている、またはない農村部の農業地域においても、PIX4Dfieldsはデータを迅速に処理し、現場での作業をスムーズに進めることが可能です。PIX4Dfieldsの分析機能や処方マップ作成機能により、数分で実用的なインサイトをご提供し、農業における時間的なプレッシャーや急な計画変更にも柔軟に対応できるようサポートいたします。

スマート農業を実現するドローン・トラクター用ソフト「PIX4Dfields」

農業用ドローン・トラクター用ソフトウェア。ドローンを飛ばすことで圃場のマップを作成。作物の健康状態や雑草の育成箇所等を分析し、ピンポイントで農薬、除草剤、肥料等を散布可能でコスト・労働時間の削減になるほか、作物にもやさしいソリューション。インターネット接続を必要とせず、処理も速いため、圃場を離れずに1日以内に分析から散布まで完結。