世界中の多くの人に愛されるパイナップルは、大きなビジネスでもある。
過去10年間、毎年3%増で成長している。メキシコはパイナップルのトップ10生産者の1つとして、毎年平均741,000トンの果物を栽培している。これにより、国内需要が満たされ、国際輸出が可能になり、2030年には62%も成長が見込まれている。
ドローンマッピングを用いてアクセス不可能な地域へ
パイナップルのような作物は、収穫をいかに行うかが課題だ。
収穫物にアクセスしづらく、予防措置を行うべき初期段階で問題を見落とす可能性もある。作物の状態確認と分析にPix4Dfieldsを使用すると、モニタリング作業がより簡単かつ効率的になる。
メキシコのパイナップル生産者であるPiñas Peraltaは、2019年3月にベラクルスのサンファンエヴァンジェリスタ地区でドローンマッピングプロジェクトを開始。この地域には、国内で最大のパイナップル生産量があり、これは全国の65%を占めている。
パイナップル畑で複数のドローン飛行と作物分析を行うために、Piñas Peraltaはメキシコに本拠を置く精密農業会社であるCoatza Droneを雇った。プロジェクトの主な目標は、パイナップルの生産最適化のため、正しい判断を行うよう作物の状態を検証することである。
プロジェクト詳細
事業名 | Coatza Drone |
ロケーション | San Juan Evangelista、ベラクルス・メキシコ |
プロジェクト概要 | 新技術による地元のパイナップル生産者への支援 |
プロジェクト規模 | 11.7 ha |
データ収集&処理 | 飛行時間:40分 処理時間:10分 |
ハードウェア | DJI Phantom 4 Pro & Parrot Sequoiaマルチスペクトルカメラ |
ソフトウェア | Pix4Dfields 農業マッピングソフトウェア |
アウトプット | オルソモザイク、インデックスマップ |
GSD | 1.28cm |
Coatza Droneは Parrot Sequoia カメラ を搭載したDJI Phantom 4 Proを使用し、20分の飛行を2回行った。
Pix4Dfieldsを使った作物の状態確認
データ収集後、ドローンのSDカードを一般的なノート型パソコンに接続した。1.28 cmの地上サンプル距離(GSD)における約500の画像の処理に、Pix4Dfieldsでは10分しかからなかった。Coatza Drone のCOOであるÁlvaro Ruiz Molanoによれば、
「処理アルゴリズムの速度に加え、ソフトウェアの補助ツールがスカウティングを効率的に行う役に立ち、非常に多目的に使えるようになっている」とコメントしている。
マルチスペクトルとRGB画像のどちらもがPix4Dfieldsで分析マップを作成するのに使用された。これらのアウトプットは、デジタルスカウティングと作物の状態確認に使用された。
「指数を使用して作物の状態の詳細を確認する」とÁlvaro Ruiz Molanoは指摘する。「比較ツールを使用すると、良好な状態の作物と乾燥状態の作物の違いをより明確に見分けることができる」
結果の共有
すべてのマップの完成後、Coatza DroneはPDFレポート作成し、クライアントのPiñasPeraltaと共有した。Álvaro Ruiz Molanoは「クライエントの要望に沿った正確なPDFレポートを短期間で作成できる点が非常に便利」と語る。
PDFレポートは最新のPix4Dfieldsの新機能。PDFのレポート作成は簡単。Pix4Dfieldsのツールバーにあるエクスポートツールをクリックしてください。エクスポートの種類からPDFを選択し、レポートに記録したいアウトプットを選択後、「エクスポート」をクリックします。PDFはアウトプットに使用したものと同じフォルダに保存されます。
「ドローンマッピング技術を使って素早く役立つ情報を提供することは、顧客が迅速かつ的確な意思決定をする手助けすることに繋がる」とÁlvaro Ruiz Molano氏は語る。
マップ上で乾燥している注意すべき場所を詳しく調べることによって、栽培物をメッシュで覆いさらなるダメージを防ぐなど、Piñas Peraltaは早急な対応を取ることが出来た。
そのままの状態で放置していたとしたら、生産に被害が及び、販売不可能になっていたかもしれない。Pix4Dfieldsは会社の危機を救った。
運用コスト30%削減
精密農業を取り入れたことにより、Piñas Peraltaは年度末には1ヘクタールにつき70トンの収穫を見込んでおり、15%〜20%も収穫率を増加させる予定だ。
正しいツールを提供することによって、Pix4DはPiñas Peraltaの作物健康診断、害虫・雑草検知、水問題のサポートに役立った。高い収穫率が期待できるため、Piñas Peraltaは精密農業を継続する予定である。
2019年末までに、同社はCoatza Droneが提案するテクニックや技術をすべての生産に取り入れ、運用コストを30%削減する見込みだ。